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どれがいい?グラベルロードのフレーム素材・材質の種類と特徴
グラベルロードバイクのフレーム素材・材質は、ロードバイクともMTBとも少し違った考え方があります。今回は、グラベルロードバイクに採用される素材・材質の特徴と、グラベル的な視点でのメリット・デメリット、そして選び方をまとめました。
更新日: 2023.10.26公開日: 2022.9.2
目次
グラベルロードのフレーム素材・材質の種類
グラベルロードのフレーム素材・材質は主に、
- アルミ
- カーボン
- クロモリ
- チタン
の4種類があります。
アルミ
グラベルロードバイクで採用が多いのがアルミフレーム。身近なところでいうと、ビールなどの缶がアルミです。
金属の中では比較的柔らかく加工がしやすいのが特徴で、グラベルロードに限らず、MTBやクロスバイクでもよく採用されます。金属なので落車などの打撃による衝撃に強いですが、形状変化にはあまり強くなく、フレーム剛性は低めです。
アルミフレームのグラベルロードの良いところは、初心者でも取り扱いがしやすいこと。軽い金属なのでカスタマイズ次第で軽量なグラベルロードに仕上げることも出来ますし、落車や輪行などであまり気を使わないで済みます。
重量と剛性に関しては、現在のロードバイクフレーム素材の主流であるカーボンには敵いませんが、「間違いがない」フレームです。
カーボン
現在ロードバイクの主流はカーボン。上位グレードのロードバイクはカーボンフレームがほとんどですし、悪路を走るグラベルロードバイクやMTBでもカーボンフレームが増えてきています。
カーボンフレームは、金属と違ってカーボンシートをエポキシなどの樹脂で固めてフレームを成形するため、形状の自由度が高いため、特殊形状(ポール型ではない形)やエアロ形状に出来るという特徴があります。
一方で、カーボン繊維自体は非常に強い素材ですが、カーボン繊維を固める樹脂はワンポイントの衝撃に非常に弱く、落車などの大きな衝撃でなくてもクラック(亀裂)が入ってしまうリスクがあります。
ロードバイクであれば普通に走っていれば大きな落車はそこまでないので良いですが、グラベルを走るとなると落車することが意外とあり、落車の先に岩や木があると最悪フレーム全交換になるほどの破損をすることがあります。
そういった「取り扱いが難しい」特徴があるため、カーボンのグラベルロードバイクは上級者向けの高級ラインが多く、エントリーからミドルグレードはアルミが多くなっています。
クロモリ
自転車界隈では、クロムモブリデン鋼を使ったフレームを略して「クロモリフレーム」と呼びます。クロモリはアルミに比べて硬くない素材で、独特なしなりがあるため、柔らかい乗り心地になります。
ただ、パイプを溶接でつなげる方式になるので、フレーム形状に自由度が少ないのがデメリット。重量も今回ピックアップした素材の中でもダントツに重くなります。
「クラシカルな見た目が逆にかっこいい」ということで、ここ数年グラベルロードバイクで「あえてクロモリ」というユーザーも増えてきています。
クロモリのグラベルロードバイクは大手メーカーでは種類が少ないですが、日本国内のフレームビルダーさんに依頼をすれば、自分の好みにカスタマイズした、自分だけのクロモリフレームをオーダーできます。
チタン
軽くて硬い金属であるチタン。ロードバイクでは「超高級素材」で、チタンフレームのロードバイクといったら高級モデルの一つの象徴です。
チタンはアルミにように加工がしやすく、それでもカーボンに近い剛性と軽量さから、「カーボンは破損が怖いけど軽量化したい」というユーザーに選ばれます。フレームだけで30万円以上する価格がネックです。
クロモリ同様、チタンフレームのグラベルロードバイクは種類がほとんどありませんが、フレームビルダーさんによってはチタンの取り扱いがあるので、オーダーで好みのフレームを作ってもらえます。
どの素材が強いのか?
余談ではありますが、素材自体の強度も見てみましょう。
下記のYoutube動画では、同じサイズの素材に折り曲げの負荷をかけてどれくらい強度に違いがあるのかを検証しています。
HYDRAULIC PRESS VS TITANIUM AND CARBON FIBER, BENDING TEST | Youtube
カーボンはアルミよりも20%ほど硬く、そして圧倒的に硬いチタンはカーボンの3倍以上の圧力に耐えています。
グラベルロードバイクの素材は、素材の強さだけでなく重量や製造のしやすさ、コストなどのトータルで最適な素材が選ばれます。
また、同じ素材でもフレームの構造や厚みなどでも違ってくるまで「あくまで参考」ではありますが、素材自体の強度も知っておくと選ぶ際の目安になります。
グラベルロードバイクのフレーム素材・材質を比較!どの素材が良い?
ここまで見てきた各フレーム素材・材質の特徴を比較してみましょう。
| 素材・材質 | 剛性 | 価格 | 重量 | 取り扱いやすさ |
|---|---|---|---|---|
| アルミ | ○ | ◎ | ○ | ◎ |
| カーボン | ◎ | △ | ◎ | △ |
| クロモリ | △ | △ | △ | ◎ |
| チタン | ◎ | △ | ◎ | ◎ |
悪路での落車や衝突のリスクがロードバイクよりも高いグラベルロードバイクでは、価格を除けばチタンフレームがベストです。高級MTBはチタンフレームが多いのと同じ理由です。
ただ、チタンは価格が高すぎるのとフレーム形状が流行のエアロ形状にできないのがデメリット。そのため、グラベルロードバイクでもカーボンフレームが増えてきているのでしょう。
バランスが良いのはアルミ。価格も安く、比較的フレーム形状も自由に出来る、そして初心者でも落車でクラックが入る心配をせずに、気軽にグラベルを楽しめるという意味で、現状ではバランスの良いベストなチョイスです。
初心者は迷わずアルミフレームにしよう
カーボングラベルロードのユーザは、「林道やトレイルで落車してフレームを破損した」という声はよく聞かれます。ある程度の経験者でも舗装路よりも落車の確率は上がるので、初心者には不向きです。
かといって、高額なチタンフレームは初心者には高額過ぎますし、クロモリは重過くて柔らかいため初心者にはやや癖があるフレーム。
となるとアルミが最適となります。
エントリーからミドルグレードのグラベルロードバイクのほとんどがアルミフレームなのみ納得の理由です。
砂利道を走るくらいならカーボンもあり
一方で、「グラベルと言っても、ちょっとした砂利道を走るくらいで、ほとんどは舗装路」というライトなグラベルユーザーは、カーボンフレームもあり。
カーボンフレームのデメリットは価格と単一点への衝撃の弱さだけなので、予算が許すなら、最初からカーボンフレームのグラベルロードバイクを買って、キリっとした走りを楽しみたいところです。
とにかくクラシカルな見た目がいいならクロモリ
剛性とか重量とか関係なく「クラシカルな銀バイクが欲しい!」という方は、クロモリ一択と言っても良いでしょう。
グラベルロードバイクは、ブラックやモスグリーンなどの落ち着いたカラーリングのモデルが多いですし、フレーム形状も適度にエアロで、流行に乗っ取っています。
クロモリであればパイプ感のある、クラシカルなグラベルロードバイクを組むことが出来ます。
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